【こころ検定2級対策】vol.10 精神医科学 精神疾患-1

こころ検定
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精神疾患の分類と特徴

DSM-5に基づいた精神疾患は大きく3つに分類されます。

精神疾患の分類

DSM-5は精神疾患に関してのみ分類されており、現在は精神疾患の診断名としても広く使われています。

また世界保健機構(WHO)のICD「疾病及び関連保険問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Proglems)」第10回改訂によるICD-10とDSM-5の2つの分類による病名分類が主流になっています。

精神障害の分類

外因性精神障害脳器質性
(脳の損傷や脳そのものの病気による)
身体器質性
(脳以外の身体疾患による)
中毒器質性
(薬物・毒物、依存性のあるし好品による)
内因性精神障害脳の機能障害や遺伝などによる
心因性精神障害心理的なストレスが原因となる

DSMによる診断

精神科医はクライアントがどのような主訴・症状であっても、その原因が「外因性か否か」を診断しなければなりません。

脳の外傷による症状なのか、脳の機能障害によるものなのか、心因性のものであるのかによって、その後の治療・支援・援助の進め方が大きく異なるためです。

外因性の場合であれば内科・外科の専門医と連携をとらなければなりません。

メンタルケア心理士やメンタルケア心理専門士は疾患・症状について診断することはできませんが、どのような過程を経て診断がなされるかを知ることは重要です。

病型による分類とスペクトラム

精神疾患はDSM-5における大分類と病型による下位分類が設定されています。(下位分類が設定されていない疾患もあります)

精神医学や臨床心理学の研究が進み、各疾患は症状が様々であり、型に分類することは極めて難しく、健康状態から性格傾向、軽度の疾患、中度の疾患、重度の障害というようにスペクトラム(連続体)であることが多いとされています。

そのため近年ではスペクトラムという疾患のとらえ方がとりいれられ、健康な状態と精神疾患は地続きになっているということを示しており、精神障害者への差別や偏見の軽減にもつながると考えられています。

無気力な人のイラスト(女性)

内因性精神障害

内因性精神障害とは脳や神経の機能異常や脳の神経伝達物質の分泌異常が原因と言われており、3つに分類されます。

統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群

統合失調症

原因は未解明であるがドーパミンの分泌異常原因説があり、遺伝にも関係しているといわれています。

この疾患の特徴は陽性症状陰性症状という異なる2つの症状を発症することです。

陽性症状とはおもに妄想・幻覚・支離滅裂な会話や行動があります。

逆に陰性症状とはおもに感情の平板化・思考の貧困・意欲、活動性の低下などがあります。

またクライアント全般に共通して病識の欠如があり、自ら医療機関を受診することは少なく家族につきそわれたり、問題を起こし措置入院となった後に診断をうけるということがあります。

統合失調症は薬物療法がおこなわれますが、薬物療法と併用もしくは薬物治療による効果によって症状が落ち着いてから、来談者中心療法認知行動療法による治療・支援が効果を示す場合があります。

SST(Social skills Training)とよばれる社会生活技能訓練なども精神科リハビリテーションにおいて実施され、再発を防止するために行われる重要な治療法です。

妄想性障害

妄想性障害の症状は統合失調症と似ている点がいくつかあるが、幻覚や支離滅裂な言動は見られず、陰性症状もありません。

妄想に関連する以外の部分では問題はなく、社会生活などは円滑であることが多いようです。

統合失調症の妄想が支離滅裂なものであるのに対して、妄想性障害ではその内容と言動の関連は全く理解ができないというものではないところが特徴といえます。

妄想性障害における病型分類では5つの型があります。

  • 被愛型:自分が他者から愛されている妄想(監視、ストーカー)
  • 誇大型:他者が認めていない能力があるという妄想
  • 嫉妬型:恋人や配偶者の不貞を確信する妄想
  • 被害型:自分は騙されている、監視、いやがらせを受けている妄想
  • 身体型:自分は病気なのではないか、口臭・体臭があるのではないか
被害妄想のイラスト

緊張病

緊張病は、統合失調症を含む様々な身体・精神疾患の発症にともなっておこるため、DSM-5では独立した疾患には分類されていません。

主な診断基準は12種類あり、そのうち3つ以上に当てはまる場合が該当します。

  1. 昏迷(心身ともに能動的な活動がみられない)
  2. カタレプシー(他者にとらされた姿勢を維持しつづける)
  3. 蠟屈症(他者が何らかの姿勢をとらせようとすることに無反応)
  4. 無言症
  5. 拒絶症
  6. 姿勢保持
  7. わざとらしさ
  8. 常同症(意味のない行動を繰り返す)
  9. 外的刺激の影響によらない興奮
  10. しかめ面
  11. 反響言語(他者が話した言葉をオウム返しに話す)
  12. 反響動作(他者が行った行動をオウム返しに行動する)

双極性障害および関連障害群

双極性障害

双極性障害とは躁病エピソード、軽躁病エピソード、抑うつエピソードを交互に示す精神疾患です。

躁病エピソードとは外部・内部とは無関係な状態での気分の高揚や興奮、睡眠欲求の減退、多弁、楽天的思考などクライアントのそれまでの性格傾向などとは違った側面をみせるものです。心身の異常が1週間にわたって、ほぼ毎日、1日の大半にわたり持続している状態です。

一見明るくなったように思われますが易怒性があります。楽天的な思考にともなう軽率な行動などにより、社会生活に支障をきたしかねない状態が見られます。

軽躁病エピソードとは、躁病エピソードのように入院措置が必要なほどではないが、クライアントの普段の状態と比較し、明らかな感情・行動の変化が認められることが基準となります。

抑うつエピソードとは、1日中ほぼ毎日、抑うつ状態で心身共に活動への興味が減退し、ポジティブな感情が起こらないことをいいます。

また大幅な体重の増減、不眠や過眠、疲労感、無価値観、死について考えるなど日常生活に支障をきたしている、落ち着いていられない、イライラしているというような状態が続いていることをいいます。

双極性障害はエピソードの現れ方により3つに分類されます。

双極Ⅰ型障害:
躁病エピソードと抑うつエピソードの両方が交互にあらわれ、躁病エピソードのふり幅が大きく、その後の抑うつ状態も深くなる。
多幸感、自尊心の誇大、多弁がよくみられる。

双極Ⅱ型障害:
軽躁病エピソードと抑うつエピソードの両方が交互に示され、抑うつエピソードの方が重い状態になる。

気分循環性障害:
躁状態と抑うつ状態を少なくとも2年間繰り返す。(未成年は1年間)
躁状態、抑うつ状態の程度は軽く、躁病エピソード、軽躁病エピソード、抑うつエピソードの基準を満たさない。

抑うつ障害群

大きく分けると、うつ病(DSM-5)と持続性抑うつ障害(気分変調症)があります。

神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの分泌異常により発症し、薬物療法や認知行動療法が行われます。

うつ病
気分の落ち込みや意欲の低下、無気力、不眠、食欲減退、希死念慮を持つなどが主症状である。

抑うつエピソードが1回あり、その後2か月以上抑うつエピソードがない状態を単一エピソードといい、これを繰り返すことを反復エピソードという。
うつ病には軽度・中程度・重度・部分寛解・完全寛解という重症度の段階により判断される。

持続性抑うつ障害:
うつ病に比べると抑うつ状態の程度が軽いものが2年以上続いている症状を示す。

抑うつ障害群に分類されるその他の障害

重篤気分調節症
慢性的で激しい易怒性が特徴で、欲求不満に対して言語や行動で激しい反応を示す。
主に子どもに多い。

月経前不快気分障害
月経開始前および最終週に症状が認められ、意欲の減退や睡眠障害などの症状がある。
抑うつ障害との区別は対象が女性であること、身体症状が伴うことがある、怒りや苛立ちなどがあることである。

新型うつ病とは?

若年層に多く見られ、疲労感や倦怠感はあるが、抑うつエピソードは見られない。
ストレッサーに対して回避的な行動をとり、他者や所属する企業や学校を非難するするが、ストレッサーではない活動に対しては症状が治まり、活発に活動するという特徴がある。
そのため、日本うつ病学会では、「新型うつ病」という専門用語自体が存在せず、科学的に十分な検討がなされていないということを公表している。

似ている症状や障害があるけど

違いをしっかり覚えるとわかりやすいよ。

vol.11 精神医科学 精神疾患-2につづくよ。

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