【こころ検定2級対策】vol.12 精神医科学 精神疾患-3

こころ検定
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精神疾患の分類と特徴

発達・睡眠・摂食・性格における精神障害

神経発達症群

神経発達症とは遺伝などの様々な要因により先天的に各種症状や知覚、認知、感情、行動に異常が認められ診断(発見)されます。

神経発達症群は、知的能力障害自閉症スペクトラム症、注意欠如・多動症、限局性学習症の4つに分類されます。

知的能力障害

原因としては、染色体の異常・神経皮膚症候群・先天代謝異常症・胎児の感染症・中枢神経感染症(髄膜炎)・脳奇形・てんかんなどがあります。

診断としては知能検査によって確かめられる知的機能の欠落や日常生活で必要とされる能力の欠落があり、症状の重い場合には年齢の若いうちに気付かれますが、軽い場合には診断が遅れます。

自閉スペクトラム症

社会的コミュニケーションおよび対人関係全般において、他者と興味・感情を共有することが非常に少なく、理解する能力が欠落しています。

また興味・活動・行動が限局的で、同一性への固執、反復的な行動、習慣への頑ななこだわりがあり、特定の対象に強い愛着を示す、感覚刺激に対する過敏性・鈍感性などがあります。

注意欠如・多動症(AD/HD)

不注意や多動性・衝動性の持続があり、日常生活や発達の妨げになっており、これらが6か月以上持続し、その程度が発達水準から逸脱しているということが診断基準となっています。

またこれらが12歳以前から、家庭と学校といったような2つ以上の状況において認められることも基準となります。

注意欠如・多動症は、混合して存在、不注意優勢に存在、多動・衝動優勢に存在という3つの下位分類に分類されています。

限局性学習症

学習が関連する活動の一部に問題があり、適切な支援を実施しても学習能力の改善がなされずに6か月間持続している状態で、日常生活・社会的活動に支障をきたしていることが診断基準となります。

限局性学習症には、読字、書字、算数のいずれの学習能力に問題があるかによって3つの下位分類に分けられています。

その他の精神発達症群

コミュニケーション症群:
言語的コミュニケーション、非言語的コミュニケーションにおける障害を示します。
コミュニケーション症群には、言語症、語音症、小児期発症流暢症、社会的コミュニケーション症などがあります。

運動症群:
日常生活における身体を使った活動や運動技能の獲得に障害がみられ、発達協調運動症や常同運動症(無目的な運動の繰り返し)などがあります。

チック症:
何の脈絡もなく、突然に起こり、意味もなく繰り返され自分の意志で止めることができない、反復性、非律動性の運動や発声が起こります。
咳払い、鼻鳴らし、まばたき、首振りなどがあります。

食行動障害および摂食障害群

神経性やせ症

遺伝的要因、また対人関係のストレスに起因するケースも多くあります。

日常的に必要な栄養素の摂取を制限し、適正体重を大きく下回るにもかかわらず、体重増加に対する強い恐怖があり、体重増加を防ぐ積極的な行動を継続します。

自分の体重・体型に対する認識が著しく歪んでいるが、身体の問題に対する認識が欠如しています。

神経性やせ症は体重増加や肥満への恐怖が強く、たとえ体重が減少しても緩和されず、増大する場合もあります。

神経性過食症

原因は未解明であるが、神経性やせ症とよく似た症状や診断基準があります。

神経性過食症は過食エピソードとよばれる食物の大量摂取を行うが、体重増加を防ぐために不適切な代償行動を繰り返すため、クライアントのBMIの数値は18.5~30で極度の肥満体型であることはあまりありません。

神経性やせ症と同様に自尊心が低く、自殺の可能性も高いといわれています。

睡眠・覚醒障害群

不眠障害

周囲の環境やストレスが原因となり、なかなか寝付けなかったり、途中覚醒が睡眠中に何度もあったり、早朝覚醒があります。
一時性は1か月以上3か月未満の場合、3か月以上持続すると持続性不眠障害に分類されます。

過眠障害

ストレスなどが原因で、1日に繰り返し過剰な眠気があり、1日に9時間以上の睡眠をとっても疲労感があるような状態になります。
また急な覚醒後、その覚醒状態を十分に維持することが困難で日常生活や社会的活動に支障をきたしている症状をいいます。

急性、亜性、亜急性、持続性の下位分類があります。

不眠障害も過眠障害も、睡眠時間の長さだけでなく、「個人における睡眠の必要性」が満たされているかどうか、その個人が睡眠にたいして何らかのネガティブな感情・態度を持っているかどうかが重要となります。

睡眠ー覚醒障害群の診断と重症度の特定にはポリソムノグラフィ(睡眠ポリグラフ検査)が使用されます。

ナルコレプシー

抑制困難な睡眠欲求があり、同時中に何度も深い眠りに落ちてしまったり、うたた寝をしてしまう症状を主とする疾患です。

睡眠に関する障害以外にも、感情の生起に伴って突然脱力状態になり全身の筋肉に力が入らなくなる情動性脱力発作(カタプレキシー)や付随的なしかめ面・開口・舌の突出などの行動面の障害も顕著です。

ナルコレプシーは脳脊髄液内のヒポクレチンの欠乏がみられ、明らかな脳機能の異常が伴います。

またナルコレプシーは入眠直後にレム睡眠状態になることがわかっており、脳の休息が少ないまま起床する状態が続くという特徴があります。

概日リズム睡眠-覚醒障害群

人間の概日リズム(サーカディアンリズム)に異常が生じるもので、主な症状は過剰な眠気や睡眠の分断化などがあります。

その原因は身体的・環境的・社会的活動状況と睡眠ー覚醒のスケジュールとの不一致によるもので、これらにより苦痛を感じたり、日常生活や社会的活動に支障をきたすものです。

睡眠時随伴症群

睡眠中の行動や夢などに主な症状が認められ、代表的なものが3種類あります。

ノンレム睡眠からの覚醒障害:
睡眠からの覚醒が不完全で、睡眠中に起き上って歩き回ったり、睡眠から突然覚醒状態に移行し、強い恐怖とともに叫び声をあげるなどの症状を示します。
その際他者が声をかけても反応は薄く、またこれを自身では覚えていません。

悪夢障害:
長期にわたって非常に不快な夢を見ます。夢に関する問題により苦痛を感じたり、日常生活に支障をきたしている状態。

レム睡眠行動障害:
レム睡眠中に発声や複雑な運動を伴って覚醒する状態が繰り返し起こります。
ポリソムノグラフィによりレム睡眠時に筋緊張消失が起きていないことが確認されているか、パーキンソン病などの関連疾患の診断が確定している場合におこります。

パーソナリティ障害群

パーソナリティ障害群は先天的であることが多く、A・B・C群に分類され、10個の疾患に分けられます。

共通して、認知・感情・対人関係における各能力・衝動性の制御について著しく偏った状態が持続し、他者とのコミュニケーションや学校生活、社会的場面において、特有の性格傾向に伴う問題が顕著となる疾患です。

パーソナリティ障害群は支援・治療が非常に難しく、パーソナリティ特性ゆえに心理カウンセラーとの関係構築が困難であり、そのため治療の途中で来所をやめてしまうことが多くなっていますが、カウンセリングを受け続ければ、早期の軽快につながる可能性があります。

A群パーソナリティ障害(クラスターA)

A群パーソナリティ障害の特徴は、奇異な認知・感情・行動閉じこもりがちな性質になります。

猜疑性パーソナリティ障害:
猜疑心が強く、他者の発言・態度・行動を悪意がある感じ、拒絶されることや軽蔑されることに敏感で、恨みを抱きやすい。

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害:
他者との関わりを持たず、他者からの評価に対して無関心です。感情が乏しく一人でいることを好みます。

統合失調型パーソナリティ障害:
奇異な思考が行動に影響を与えています。疑い深く、状況にそぐわない不適切な感情をもったり、妄想的な思考をもっています。
統合失調症の中の一つの状態であると考えられています。

B型パーソナリティ障害(クラスターB)

B群パーソナリティ障害の特徴は、感情面での激しい混乱と他者を巻き込むような傾向があげられます。

反社会性パーソナリティ障害:
他者の権利を無視し侵害する発言・態度・行動が15歳以降からみとめられます。
逮捕されるような行為や暴力、人を騙す、社会的・経済的な義務をはたさないなどの行為をくりかえし、衝動的で無責任です。15歳以前に素行症が認められます。

境界性パーソナリティー障害:
対人関係、自己認識、感情などが著しく不安定で衝動性が強い。他者から見捨てられることを避けようとしなりふり構わない行動をとる、自分を傷つけるような衝動的な行動や、自殺、自傷行為を繰り返します。高い頻度でかんしゃくを起こしたり、いつも怒っていたり、喧嘩を繰り返したりすることがあります。

演技性パーソナリティー障害:
過度な感情表現と他者の注意を引こうとする行動が示されます。
自分が注目されていないと楽しくなく、芝居がかった態度や行動、大げさな感情表現を示します。被暗示的で、他者や環境の影響を受けやすい特徴があります。

自己愛性パーソナリティー障害:
空想や行動における誇大性が強く、他者から賛美されたいが他者への共感性が欠如しています。自分が重要な人物であるという誇大な感覚があり、自分だけが特別・独特で特別な計らいを受ける権利があるという意識があります。他者を不当に利用したり、嫉妬心を抱くことが多く、尊大で傲慢な態度を示します。

C群パーソナリティ障害(クラスターC)

C群パーソナリティ障害は不安や恐怖が強いという特徴があります。

回避性パーソナリティー障害:
他者からの批判や拒絶に対して非常に過敏で、好かれたいという思いが強い。
自分に自信がなく、不全感が強いため、新しい人間関係や活動に対して、異常に消極的になります。

依存性パーソナリティー障害:
自分の能力に自信がなく、他者からの助言と保証を過剰に求め、自分で意思決定ができません。他者からのサポートを得るためには不快な事柄でも行うことができます。自身の孤立と分離に対して不安を感じるという特徴があります。

強迫性パーソナリティー障害:
秩序維持・完璧主義で本来の目的が見失われてしまうほどで、他者に仕事を任せることができません。著しい頑固さと堅苦しさが様々な場面で認められます。お金を使うことに強い抵抗感があります。

その他のパーソナリティ障害

解離性同一症:
通常は一人の人間が統一して持っている精神や身体の状態が破綻し、異なる2つ以上のパーソナリティが存在する行動がみられます。

性別異和:
性同一性障害と呼ばれていたもので、生物学的な性別ではなく社会的、文化的な性別(ジェンダー)に対して、著しく違和感を覚え、異なるジェンダーとして社会的に扱われたいという欲求と、感情や行動を示します。

物質関連障害群

アルコール関連障害群:
アルコールの大量・中期の摂取により引き起こされる障害で、アルコール中毒やアルコール依存症などが含まれます。
症状としては行動上の問題、生理的な身体反応の問題、注意や記憶などの認知機能の問題、不安など多岐にわたります。

カフェイン関連障害群:
カフェイン中毒の状態をいい、症状は主に、抑うつ・興奮・易怒性などの感情面の問題や利尿・筋肉のけいれん・胃腸系の障害などの生理面にもあらわれます。カフェインの異常摂取を中止した場合に症状が起こるものをカフェイン離脱といいます。

タバコ関連障害群:
喫煙習慣によって、大量・長期にわたるタバコの使用により、仕事や生活における支障が基準となっています。離脱症状としては、易怒性・不安・抑うつや食欲増進・不眠などの症状が現れます。

ギャンブル障害:
非物質関連障害に分類される。賭博行動にのめりこみ、苦痛などの様々なネガティブな感情により、社会的生活に支障をきたす場合に診断されます。

違法行為にあたる物質関連障害群

大麻関連障害群:
マリファナと呼ばれるもので、医療現場では鎮痛剤として使用され、この薬物の使用によって生じる様々な障害。

幻覚薬関連障害群:
フェンシクリジンという化合物やその類似物質による妄想や幻覚などの症状を示し、違法に密売されたものを摂取し、これによって生じる障害。

吸入剤関連障害群:
接着剤・燃料・塗料などから生じる有毒ガスを吸入したことによって起きる様々な障害のことをいい、トルエン中毒やシンナー中毒が該当します。

オピオイド関連障害群:
モルヒネなどの鎮痛剤を医療目的以外の利用により生じる障害。

鎮静薬・睡眠薬・抗不安薬関連障害群:
これらの薬剤の不適切な使用や大量・長期の使用によっておこる症状。

精神刺激薬関連障害群:
アンフェタミン物質やコカインなどの薬剤の過剰摂取によって引き起こされる様々な精神面の障害。







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