【こころ検定2級対策】vol.14 精神医科学 薬理学

こころ検定
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薬理学と薬剤

薬はどのように身体の中で作用するのか

薬の薬物動態(ADME 、アドメ)

薬を服用すると、吸収(absorption)され、様々な臓器に分布(distrbution)し、効果を示した後、代謝(metabolism)され、体外に排泄(excretion)されます。

この頭文字をとってADMEといい、薬の薬効発現に重要な関りを持っています。

薬のイラスト

薬を飲むとどのように吸収されるのでしょう

薬を口から服用した場合、主に胃や小腸から体内に吸収され、肝臓で代謝されます。

これを初回通過効果といい、薬の種類によってはその薬効が低下したり、発現しない場合もあります。

点鼻薬や皮膚に直接貼るもの、座薬、注射剤などは肝臓を通過しないため、初回通過効果をほとんど受けません。

肝臓を通過した後、血液に吸収され、各臓器や組織に運ばれます。

血液中に吸収された薬の濃度を血中濃度といい、経口投与の場合にはゆっくりと血中濃度が高まりますが、注射では急速に血中濃度が高まります。

薬が有効に作用する濃度(有効域)に保たれることで薬の効果を十分に発揮することができます。

ですから有効域を超えて、多く服用したりすると有害な副作用が現れたり、用量を勝手に減らしたりすると、飲んでも全く効き目がなかったり、症状が悪化することもあるので注意しなければなりません。

薬が血液により各器官や組織に移行することを分布といいます。

血液中では薬はタンパク質(アルブミン)と結合していますが、組織に移行する際にはたんぱく質の結合がとかれた形で細胞膜を通過します。

これにより、薬の種類によってどの作用部位で効果を表すかが影響しているのです。

このようにその薬の主作用と副作用のバランスをとって薬は作られています。

その後、効力を発揮した薬は主に肝臓の酵素(消化管粘膜、皮膚にもあります)により分解されることを代謝といいます。

代謝された薬や使われなかった薬は血液で腎臓から尿として排泄されます。

ハロタンのような気体は肺から排泄されたり、胆汁、唾液、汗などから排泄されるものもあります。

精神医学で用いられる一般的な薬剤

抗うつ薬の種類

三環系抗うつ薬はもっとも古くから使われている抗うつ薬です。
その他のうつ薬は三環系、四環系と作用は同じですが、副作用が軽減されています。
抗うつ薬の効果の強さは、三環系が最も強くなっていますがその分副作用も強くなっています。

三環系抗うつ薬アミノトリプチン
イミプラミン
クロミプラミン
トリミプラミン
ノルトリプチリン
ドスレピン
ロフェプラミン(第2世代)
アモキサピン(第2世代)
四環系抗うつ薬ミアンセリン
マプロチリン
セチプチリン
その他の抗うつ薬トラドゾン
SSRI(選択的セロトニン
再取り込み阻害剤)
パロキセチン
フルボキサミン
SNRI(選択的セロトニン及び
ノルアドレナリン再取り込み
阻害剤)
ミルナシプラン

効果の強さ:三環系>SSRI=SNRI>その他>四環系

副作用の強さ:三環系>四環系=その他>SSRI=SNRI

副作用は抗コリン作用といい、口渇、便秘、眠気などが三環系ではとくに起こりやすくなっています。

抗不安薬の種類

抗不安薬は精神安定剤ともよばれ、現在使われているものはベンゾジアゼピン系とよばれるものがほとんどです。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は脳の神経伝達物質であるGABAに関係しています。

GABAの働きを強めることで、脳内の活動がスローダウンすることによって不安や緊張を和らげることができるのです。

抗不安薬を服用後、体内で薄まった時間によって(半減期)分類されます。

急に強まってきた不安に対しては短時間型、不安症状が長く続く場合には長時間型の抗不安薬が適しているといえます。

短時間型クロチアゼパム(リーゼ)
エチゾラム (デパス)
フルタゾラム(コレミナール)
トフィソパム(グランダキシン)
中間型ロラゼパム(ワイパックス)
アルプラゾラム(ソラナックス)
ブロマゼパム(レキソタン)
長時間型メキサゾラム(メレックス)
ジアゼパム(ホリゾン)
フルジアゼパム(エリスパン)
プラゼパム(セダブラン)
オキサゾラム(セレナール)
クロキサゾラム(セパゾン)
フルトパラゼパム(レスタス)

抗精神病薬の種類

抗精神病薬はおもに統合失調症の治療や双極性障害、神経症の中心となる薬です。

脳内のドーパミンの活動を抑えることにより、幻覚や妄想をおさえる、考えをまとめたり、気持ちや神経をやわらげたり、意欲減退を改善したりします。

定型抗精神病薬と非定型精神病薬に分類され、定型精神病薬は従来型とよばれ、非定型精神病薬は定型よりも副作用が少なくなっていますが、代謝に対して影響があるというデメリットがあります。

抗精神病薬の副作用としては、
抗コリン作用(口渇、便秘、尿閉、眼圧上昇)、
抗アドレナリン作用(頻脈、起立性低血圧)、
抗ドーパミン作用(①悪性症候群、②錐体外路症状、③高プロラクチン血症)
などがあります。

《定型抗精神病薬》

フェノチアジン系塩酸クロルプロマジン(ウインタミン・コントミン)
フルフェナジン(フルデカシン)
プロペリシアジン(ニューレプチル)
ペルフェナジン(トリラホン)
マレイン酸レボメプロマチン(レボトミン)
イミノジベンジル系塩酸クロカプラミン(クロフェクトン)
塩酸モサプラミン(クレミン)
ベンザミド系ネモナプリド(エミレース)
塩酸チアプリド(グラマリール)
スルピリド(ドグマチール)
塩酸スルトプリド(バルネチール)
ブチロフェノン系ハロペリドール(セレネース)
スピペロン(スピロピタン)
ブロムペリドール(インプロメン)
塩酸モペロン(ルバトレン)
チミペロン(トロペロン)
塩酸フロロピパシド(プロピタン)

《非定型抗精神病薬》

SDA(セロトニン・ドーパミン拮抗薬)リスペリドン(リスパダール)
塩酸ペロスピロン水和物(ルーラン)
MARTA(多元受容体標的化抗精神病薬)オランザピン(ジプレキサ)
フマル酸クエチアピン(セロクエル)
DSS(ドーパミン受容体部分作動薬)
アリピプラゾール(エビリファイ)
SDAM(セロトニン・ドーパミン量調整)ブレクスピプラゾール(レキサルティ)

睡眠薬の種類

睡眠薬とは睡眠導入剤といわれるもので睡眠薬はおもに作用メカニズムの違いから2つに分類することができます。

脳の機能を低下させるものと自然な眠気を強くするものに分けられます。

脳の機能を低下させる睡眠薬はGABAに作用することで睡眠を促します。同じような状態になるものは抗うつ薬や抗精神病薬の副作用にもみられます。

また、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン作用も同様の眠気を催すものです。

ベンゾジアピン系はよく使用されるタイプで、作用時間で4つに分類されます。

同様の作用でバルビツール酸系がありますが、古くから使われる薬ですが、安全性が低いため現在はあまり使われていません。

《脳の機能を低下させる睡眠薬》

バルビツール酸系アモバルビタール(イソミタール)
フェノバルビタール(フェノバール)
ペントバルビタール(ラボナ)
ベンゾジアピン系
(超短時間型)
トリアゾラム(ハルシオン)
ベンゾジアピン系
(短時間型)
ミダゾラム(ドルミカム)
ロルメタゼパム(ロラメット)
ブロチゾラム(レンドルミン)
ベンゾジアピン系
(中間型)
エスタゾラム(ユーロジン)
ニトラゼパム(ベンザリン)
ニメタゼパム(エリミン)
フルニトラゼパム(サイレース)
ベンゾジアピン系
(長時間型)
ハロキサゾラム(ソメリン)
クアゼパム(ドラール)
フルラゼパム(インスミン)
非ベンゾジアピン系酒石酸ゾルピデム(マイスリー)
ゾビクロン(アモバン)

《自然な眠気を強める睡眠薬》

メラトニン受容体作用薬ラメルテオン(ロゼレム)
オキシレン受容体拮抗薬スボレキサント(ベルソムラ)

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