
ストレスと病気
人は毎日の生活の中で様々なストレスにさらされています。
ですが、ストレスは全てが悪いものではないことはすでに学びました。
あなたはどんな時にストレスを感じますか?
たとえば試験前に感じる緊張感はストレスでしょうか?
感じ方は人それぞれですよね。
ストレスに対して敏感な人は少しのストレスでも負担になってしまいます。
試験を何度も受けているうちに、あまり緊張しなくなりストレスに感じなくなることもあるでしょう。
このような小さなストレスもあれば、身体の機能にまで影響を及ぼしてしまう場合もあります。
ストレッサーが長期間つづき、ストレス反応が慢性化すると、気分が落ち込んだり、イライラや不安感をおぼえたりします。
このような状態が続くと、メンタルヘルス面だけでなく、身体面での疾患(心身症)に至ることもあります。
ストレスによる様々な心身症
ストレスが原因で引き起こされる心身症は身体の様々な部位に症状をひきおこします。
部位 | 症状名 | 主な症状 |
---|---|---|
骨格・筋肉系 | 書痙・チック症 | 精神的ストレスの緊張により症状の出る子どもも多い。 |
消化器系 | 口腔心身症 | ストレスや人間関係によって舌痛症、口腔乾燥症、顎関節症を催す。 |
食道神経症 | 心身症的な背景により喉の奥の異物感(ヒステリー球)を訴える。 | |
胃 | 胃潰瘍 | ストレスで胃の粘膜が弱り胃壁がそぎ取られる。 |
腸 | 十二指腸潰瘍 | 幽門の近くにあるため中和機能が弱まると潰瘍を形成してしまう。 |
過敏性腸症候群 | ストレスによる便通の異常。不安定型、慢性下痢型、分泌型、ガス型がある。 | |
肛門 | 肛門神経症 | 自分の臀部を異常なほど気にする。 |
胆道 | 胆道ジスキネジー | 疲労やストレスによって胆石症に似た症状を呈する。 |
循環器系 | 神経循環無力症 | 心臓神経症といい、機能的障害を起こすが器質的変化ははなく、「心臓病不安」がベースとなっている。 |
血圧 | 白衣血圧症 | 病院で白衣を着た人に測ってもらうと血圧が上がる。 |
咽頭・喉頭 | 咽喉頭異常感 | 仮面うつ、神経症、がん不安などの精神的原因があげられる。 |
呼吸器 | 過換気症候群 | 不安、恐怖、疼痛などが原因で過呼吸発作をおこす。 |
泌尿器系 | 過敏性膀胱 | 心因性頻尿ともいわれ小学校低学年によくみられる。 |
感覚器 | 心因性視覚障害 | 目や脳には異常がないのに視力が悪くなり、目がかすんだり視力に変動がある。高学年女子に多い。 |
メニエール病 | はっきりとした原因はわかっていないが、過労やストレスも一因であり、めまい、難聴、耳鳴りを繰り返す。 | |
味覚障害 | ストレスにより味覚障害がおこる。 | |
アトピー性皮膚炎 | アレルギー疾患であるが、精神的なストレスにより悪化したり治りが悪くなることがある。 |

とりあえず、症状名をおぼえよう!
ストレスの生理心理学的測定
人はストレッサーの影響により副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールの分泌が増加する。
また唾液に含まれるαアミラーゼも分泌量が増加し活性化する。
このことから、コルチゾールやαアミラーゼを分析することするでストレスの程度を測定し、数値化する技術が開発されている。
ストレス状態の数値化は心理療法やリラクゼーション技法のストレス軽減効果の検証に利用されている。

ストレスとうまく付き合うことが大切なんだね。

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